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「まったく、新宿って街は妙なところだ。ばらばらに飛び散ったもんが、いつのまにかまた集まってきちまうのだからな」 巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない──。 やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。 その大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。 しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と──。
親子。恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の情。 荒ぶる男が帰還し各々の「絆」が交錯したとき、人びとは走り出す。 累計600万部突破「どの作品から読んでも大丈夫。 ハマる」人気シリーズ第10作。
巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない―。 やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。 すでに初老だがいまだ強烈な存在感を放つというその大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。 しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と―親子。 恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の念。 各々の「絆」が交錯した時、人びとは走り出す。 熱気。波瀾。濃度。疾走感。
久々の新刊なので前作までのストーリーはほとんど覚えてなかったのですが、途中途中に説明があり、だんだん思い出してきました。 恨みのある警官を銃で殺そうとする大男がでてくるところから話が始まるのですが、大男の正体とは?恨みのある警官とは?そして謎の犯罪集団の正体とは? といった謎が最後まで話をぐいぐい引っ張って飽きません。 最後は読んでて涙ぐんでしまう展開になります。
しかし今回は、複数の人間に「とにかく読め!内容は教えられないけど」と同じような表現で進められたので購入。 一気に読了。よくある「感動の物語」が薄らぐ怒濤の感動。 「とにかく読め!」の意味分かりました。どこをどう説明しても、ネタバレになるからなんですね(笑)。 シリーズの主人公は刑事だが今回は「大男を待つ人」でしょう。 その人以外も、脇役たちの人生、心情の描き方が素晴らしい。 …とはいうものの、それらが淡々と描かれるのならただの人情物だが、狂気をはらんだ男が帰還することによって巻き起こる一連の事件の描き方の、なんと不気味なことよ。 そして怒濤の後半に突入、読了し、感情の根本を揺さぶられるような衝撃が走り、しばらく小説から抜け出せなかった。 小難しいことは一切描かれていない。物語も古典的と言っていいほど明快。 だけど深い。それはこの作品が「人間」に正面から向き合っているからだろう。
食わず嫌いを反省。 シリーズ一巻から読みます。遡るのも悪くないでしょう。
●「絆回廊 新宿鮫X」大沢在昌 (著) (アマゾン)
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待望の新ヒーロー誕生! 極上の長編ミステリ 都内で起きた不可解な連続殺人事件。 次の犯行現場は、超一流ホテル・コルテシア東京らしい。 殺人を阻止するため、警察は潜入捜査を開始し・・・。 1行たりとも読み飛ばせない、東野ミステリの最高峰。
人間の恨みって怖いなぁと再認識させられます。
東野圭吾に求められる水準がそれだけ高いからでしょうけど、このレベルの作品をコンスタントに出せる作家さんがどれくらいいるかと考えると、個人的には浮かんできません。
ホテルで起こる数々の一風変わった事件に、快刀乱麻の如く明快にトラブルを解決していく様は圧巻。 ホテル薀蓄や暗号謎解きも、驚きがあって面白い。 毎度おなじみの読みやすい文体も見事。
超面白タイムリミットサスペンスを、壮麗にして豊饒な人間ドラマに仕上げている名人芸。 理科系出身の作家ならではの緻密な計算に、文系出身者は唖然、茫然。 宿泊客ひとりひとりの仮面=謎を暴いていくことで、巨大な謎=仮面が明らかになる。 作家の芸が光る。
ドキドキして気になるのは、推理の結末だけではないはず。
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開かれたのは、躰、本、謎。 作家生活40年のキャリアを誇る著者の集大成にして新境地! 1
増える屍体、暗号、密室、監禁、稀覯本、盲目の判事……解剖医ダニエルとその弟子たちが辿りついた真実とは? 18世紀ロンドン。 外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。 四肢を切断された少年と顔を潰された男性。 増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。 だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…… 解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
そして、解剖学黎明期の、医療と化学捜査におけるジレンマなど、本書の読みどころは多い。 登場する若者たちは生き生きとしているし、未来に対する希望や展望を持っている。 題材はけっこうグロいもいのがあるのだが、それを上質に仕上げるという、まさに皆川ワールドである。 表紙がエグいが、中身はそんなことはない。 京極作品なんかより、ずっとすっきりしている。
フルカラーの鳥獣戯画だ。
皆川さんと同じ時代に生きていることに感謝。
ベテラン作家による贅沢な物語。 ゆっくり時間をかけて読むのが吉。
●「開かせていただき光栄です」皆川 博子 (著)(アマゾン)
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ロンドンから出帆し、波高き北海を三日も進んだあたりに浮かぶソロン諸島。 その領主を父に持つアミーナはある日、放浪の旅を続ける騎士ファルク・フィッツジョンと、その従士の少年ニコラに出会う。 ファルクはアミーナの父に、御身は恐るべき魔術の使い手である暗殺騎士に命を狙われている、と告げた……。
そして、甦った「呪われたデーン人」の襲来はいつ?
現在最も注目を集める俊英が新境地に挑んだ、魔術と剣と謎解きの巨編登場!
「理性と論理は魔術をも打ち破る。必ず。そう信じることだ」(p100)。 魔術が跳梁跋扈する12世紀末欧州での殺人事件を、同じく魔術の心得がある騎士が推理する>という舞台で描かれたのは、魔術を踏み台とした論理と理性の賛歌です。 まず、魔術が絡んだ「何でもあり」に見える謎が急所を突いた簡潔な論理で見事に解かれ、その時読者の脳裏に浮かび上がる画の魅力が素晴らしい。 <二十年に渡り囚われ続けた不死の青年は、いかにして塔の牢獄という密室から脱出したのか?> <蝋燭に火を灯せば姿を消せる、魔法の燭台を持つ盗賊のアリバイをどう証明する?> 謎は魔術によって怪しく彩られ、その分だけ、解き明かす論理の冴えを引き立てます。
しかしそれにも増して、解かれることで、各人の謎が各人の人間性や背景を鮮やかに語ることがこの作品のより大きな魅力。
例えば、解明と共に明らかになる「いずれ劣らぬ怪しげな傭兵たち」の内、幾人かの意地と屈折と誇りを目にしたとき、読者は彼らを好きにならずにはいられないと思います。
そんなわけで、この作品は過去の米澤作品と比べてただ舞台設定だけでなく、その積極的な意志のあり方、描き方から見ても新境地であり、過去作品を踏まえるとなお面白く読めもする意欲作だと思います。 一方で、初米澤作品として勧めるにも十分過ぎるほどに楽しいミステリであり、冒険小説でもあり、少女と少年の成長物語でもあります。 『折れた竜骨』、傑作です。
●「折れた竜骨」米澤 穂信 (著)(アマゾン)
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急死したはずの父親から送られてきた一通のメール。 それがすべての発端だった。 創薬化学を専攻する大学院生・古賀研人は、その不可解な遺書を手掛かりに、隠されていた私設実験室に辿り着く。 ウイルス学者だった父は、そこで何を研究しようとしていたのか。
暗殺任務と思しき詳細不明の作戦。事前に明かされたのは、「人類全体に奉仕する仕事」ということだけだった。 イエーガーは暗殺チームの一員となり、戦争状態にあるコンゴのジャングル地帯に潜入するが…。
最初は新型ウィルスせん滅と救出作戦の冒険小説と思わせておいて、それは導入部分に過ぎない。 単純な暴力でなく、必然性のある暴力や救いのある人間性が感じられる。 ミステリー好きが読むだけでなく、ハードSF(サイエンスフィクション)という側面の方が強い。 なぜなら、最終的に「謎」は解けるのだが、解けるカギはSFを認める前提が必要だからだ。
これはもう小説じゃない。 エンターテインメントの枠を超えた超小説だ。 スリル、スケール、スピードの3拍子が揃ったグローバリーストーリー。(ハリウッド映画でも観てみたい。) 小松左京を継ぐSF・ミステリーのハイブリッド。 世界に紹介したいエンタメ大作だ。
こんな小説を待っていた。 人類の傲慢と進化の意味を考えさせられた。 ストーリーとは直接関係ないエピソードにすら衝撃を覚えた。 隙のない作品になっている。
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