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相次いで変死した二人の外務官僚。 捜査をめぐる他省庁とのトラブル。 そして娘を襲ったアクシデント…。
すべては竜崎の手腕に委ねられた! 極限の緊迫感がみなぎる超本格警察小説シリーズ最強の新作。
今回は、殺人事件、ひき逃げ、麻取とのせめぎ合い、放火、娘の恋人の話が 縦糸と横糸のように絡んでいきます。
今野敏氏の作品は、誤解を恐れずに言えば、楽しめるものとそうでないものがある。 好き嫌いかもしれないので、楽しめないものには言及はしない。 この『隠蔽捜査』は1作目を文庫で読んでから、一気にはまった。 いやあ、面白かったですね。 1週間の間に、2、3、3・5と連続して読んだ。 どれもいいから、驚いてしまう。
絶対に損はさせませんよ、と作者に言われているような気がする。 こう書いてくると、やはり小説は好き嫌いなのかもしれない。 ふと、そう感じた。 この竜崎というキャラが好きになれないと、まったくもってつまらない小説となってしまうに違いない。 次回作は? と期待を抱かせてくれる数少ない作品である。 こういう小説に出会えると、嬉しくなる。
思わず二度読みした一冊。 二度目は竜崎の生きざまに教えを得る。 文句なしの満点だ。
●「転迷 隠密捜査4」今野 敏 (著) (アマゾン)
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悪徳探偵メルカトル鮎と五つの難事件!! ある高校の密室状態の理科室で、物理教師が惨殺された。 容疑者とされた生徒は20人。 銘探偵メルカトルが導き出した真相とは-- 「答えのない絵本」他五編収録。
ある高校で殺人事件が発生。 被害者は物理教師、硬質ガラスで頭部を5度強打され、死因は脳挫傷だった。 現場は鍵がかかったままの密室状態の理科室で、容疑者とされた生徒はなんと20人! 銘探偵メルカトルが導き出した意外すぎる犯人とは―「答えのない絵本」他、全5編収録。 麻耶ワールド全開の問題作。
相変わらずのメルカトル、美袋の掛け合いが面白い。 普通に読んでいて面白いというのも、存外大事なことだと私は思う。
この趣向については前例はあるかもしれないが、ここまで徹底して様々な手法と実験精神で取り組んだのは麻耶が初めてだろう。 この作家、とにかく独自の問題意識を持ち、非常に高度な論理構築の業を以てそれを支える。
その問題意識を共有でき、論理の美しさを正当に評価できる読者、所謂マニアこそがどっぷりとはまってしまう所以だ。
何より面白かったのが「収束」。 事件自体は単純なものなのに対し、途中まで著者の意図がまったくわからない。 Who done itだのWhat done itだのそういう括りですら、もはやない。 やはり問題意識を持たなければ真の創造はできないのだと身につまされる思いだった。 そして単純にラストのどんでん返しの鋭さも一番だった。 残りの三作も非常に個性的で粒ぞろい、独創的で意外なラストととても面白いのだが、欲を言えば若干問題意識が先行しすぎ、自縄自縛となった感もあり、評価が別れるところだろう。 著者の作品の中でも実験要素が強い短編集となっている。
●「メルカトルかく語りき」麻耶 雄嵩 (著)(アマゾン)
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東野圭吾作家生活25周年特別刊行、第1弾ここから夢に羽ばたいていく、はずだった。 大切な人を守りたい、それだけだった。 誰も信じなくても、自分だけは信じよう―― 加賀シリーズ最高傑作、書き下ろし!
大都会の真ん中で発生した事件の真相に、加賀恭一郎が挑む。
大人気「加賀恭一郎シリーズ」の第9弾。 前作『新参者』に続き、日本橋署編です。
東野圭吾らしいシンプルで読みやすい文章、さりげない描写や会話の中にある伏線、そして親子愛などが充分に描かれている。 また、『新参者』や『赤い指』を読んでいれば、それらと関連する内容が多々登場するので、どちらかの作品が好きな方には強くお勧めしたい。
そんな悲しい出来事が連鎖していく不幸。 巡り合わせやタイミングの悪さが取り返しのつかない悲劇をもたらしてしまう悲しさ。 罪をごまかすことによって新たに繰り返される罪。 でも、最後は生きる希望と、人と人の絆や愛情を感じさせてくれます。
そして、新参者と同じように、人形町や日本橋という土地と人、加賀恭一郎の魅力も満載でした。 ミステリーがどうこう、意外性がどうこうなんて、関係ないです! 絶対におすすめです!
●「麒麟の翼」東野圭吾 (著)(アマゾン)
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亮介が実家で偶然見つけた「ユリゴコロ」と名付けられたノート。 それは殺人に取り憑かれた人間の生々しい告白文だった。 創作なのか、あるいは事実に基づく手記なのか。 そして書いたのは誰なのか。 謎のノートは亮介の人生を一変させる驚愕の事実を孕んでいた。
ミステリーは結構読んでいる方だと思いますがこのオチはわからなかったです。 過去の手記と現実の様子が同時に進んでいきますが、とても読みやすく、先が気になって一気読みでした。 沢山の人が死んだり、不幸がてんこ盛りで、後味悪いな~と思っていたところにふんわりと舞い降りるかのような衝撃のラスト! お~最後にこう来たか~と…なんとも体験したことのない読後感でした。 面白い。 もっと話題になって沢山の人に読んでほしいです。
主人公が父親の部屋の押し入れから見つける4冊のノートの手記が大変面白い。 本書の中の3分の1位がその手記の内容が書かれているが少しづつ小出しにされて、読者を引っ張っていく。 ノートを書いたのは誰なのか、主人公の母親はいったい誰なのか? 物語に引き込まれる。 最後は思わす、涙がこぼれてしまった。
人間のよどみを描きながらも不思議に明るい読後感がある。 プロの間では評価が高かったが、ついに時代が彼女に追いついたか。
●「ユリゴコロ」沼田 まほかる (著) (アマゾン)
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「まったく、新宿って街は妙なところだ。ばらばらに飛び散ったもんが、いつのまにかまた集まってきちまうのだからな」 巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない──。 やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。 その大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。 しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と──。
親子。恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の情。 荒ぶる男が帰還し各々の「絆」が交錯したとき、人びとは走り出す。 累計600万部突破「どの作品から読んでも大丈夫。 ハマる」人気シリーズ第10作。
巨躯。凄味ある風貌。暴力性。群れない―。 やくざも恐れる伝説的アウトローが「警察官を殺す」との情念を胸に22年の長期刑を終え新宿に帰ってきた。 すでに初老だがいまだ強烈な存在感を放つというその大男を阻止すべく捜査を開始した新宿署刑事・鮫島。 しかし、捜査に関わった人びとの身に、次々と―親子。 恩人。上司。同胞。しがらみ。恋慕の念。 各々の「絆」が交錯した時、人びとは走り出す。 熱気。波瀾。濃度。疾走感。
久々の新刊なので前作までのストーリーはほとんど覚えてなかったのですが、途中途中に説明があり、だんだん思い出してきました。 恨みのある警官を銃で殺そうとする大男がでてくるところから話が始まるのですが、大男の正体とは?恨みのある警官とは?そして謎の犯罪集団の正体とは? といった謎が最後まで話をぐいぐい引っ張って飽きません。 最後は読んでて涙ぐんでしまう展開になります。
しかし今回は、複数の人間に「とにかく読め!内容は教えられないけど」と同じような表現で進められたので購入。 一気に読了。よくある「感動の物語」が薄らぐ怒濤の感動。 「とにかく読め!」の意味分かりました。どこをどう説明しても、ネタバレになるからなんですね(笑)。 シリーズの主人公は刑事だが今回は「大男を待つ人」でしょう。 その人以外も、脇役たちの人生、心情の描き方が素晴らしい。 …とはいうものの、それらが淡々と描かれるのならただの人情物だが、狂気をはらんだ男が帰還することによって巻き起こる一連の事件の描き方の、なんと不気味なことよ。 そして怒濤の後半に突入、読了し、感情の根本を揺さぶられるような衝撃が走り、しばらく小説から抜け出せなかった。 小難しいことは一切描かれていない。物語も古典的と言っていいほど明快。 だけど深い。それはこの作品が「人間」に正面から向き合っているからだろう。
食わず嫌いを反省。 シリーズ一巻から読みます。遡るのも悪くないでしょう。
●「絆回廊 新宿鮫X」大沢在昌 (著) (アマゾン)
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