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開かれたのは、躰、本、謎。 作家生活40年のキャリアを誇る著者の集大成にして新境地! 1
増える屍体、暗号、密室、監禁、稀覯本、盲目の判事……解剖医ダニエルとその弟子たちが辿りついた真実とは? 18世紀ロンドン。 外科医ダニエルの解剖教室から、あるはずのない屍体が発見された。 四肢を切断された少年と顔を潰された男性。 増える屍体に戸惑うダニエルと弟子たちに、治安判事は捜査協力を要請する。 だが背後には、詩人志望の少年の辿った稀覯本をめぐる恐るべき運命が…… 解剖学が先端科学であると同時に偏見にも晒された時代。そんな時代の落とし子たちがときに可笑しくときに哀しい不可能犯罪に挑む。
そして、解剖学黎明期の、医療と化学捜査におけるジレンマなど、本書の読みどころは多い。 登場する若者たちは生き生きとしているし、未来に対する希望や展望を持っている。 題材はけっこうグロいもいのがあるのだが、それを上質に仕上げるという、まさに皆川ワールドである。 表紙がエグいが、中身はそんなことはない。 京極作品なんかより、ずっとすっきりしている。
フルカラーの鳥獣戯画だ。
皆川さんと同じ時代に生きていることに感謝。
ベテラン作家による贅沢な物語。 ゆっくり時間をかけて読むのが吉。
●「開かせていただき光栄です」皆川 博子 (著)(アマゾン)
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